禄存星という星には、愛情、奉仕、お金などの意味がありますから、この意味が正常に稼働しなくなるということです。
禄存星天中殺が廻ってきた年は、金銭の出費が多くなり、やりくりに苦労します。また、借金をすれば雪だるま式に膨れ上がり、財産をすべて失う場合があります。仕事上のミスから、大きな金銭上のトラブルが起きるとか、ギャンブルや株で損益を出したりとか、お金にまつわる問題が多発する場合があります。
また、対人関係でも争い事が発生します。愛と財の損失につながりやすい年となります。自分のせいで大切な人を失うとか、別れやすい時期となりやすいです。“自分のせい”と言うのは、“無責任”という意味です。また、「家族」「スポンサー」「銀行」から信用されにくくなります。それは自分が原因なので、誠実さを意識して過ごせば大きな損失は間逃れます。
不誠実な行動とは「浮気」です。異性間だけではなく仕事面においての浮気も含まれます。そういった行動によって、信用を失ってしまいます。そんな時に“小細工”をすると一気に信用を失います。誠実に生きていれば、周りが助けてくれます。事後報告もやめましょう。
中年期や結婚適齢期には、自分の脇の甘さが原因で結婚詐欺に騙されることがあるので気を付けましょう。禄存星が年運天中殺に発生した場合は、「愛情の欠落現象」が現れ、愛する人との別れや、肉親との離別などの現象が表面化します。
主星が貫索星だと、仕事上のミスが原因となり、借金がどんどん増えます。対人関係に摩擦が生じやすく八方ふさがりになる恐れがあります。主星が石門星だと、貫索星と同じ現象ですが、兄弟、友人が引き起こした借金までかぶることになります。主星が鳳閣星だと、ギャンブルや酒に熱中し、借金を重ねていきます。健康を損ねる場合があります。主星が調舒星だと、金銭面の苦労から孤独癖がノイローゼに発展しがちです。主星が禄存星だと、財産を失い破産になる恐れがあります。愛情関係でも問題を起こしがちです。主星が司禄星だと、禄存星と同じ現象ですが、借金や愛憎のトラブルが親や妻子に及び家庭崩壊の恐れがあります。主星が車騎星だと、働いてもタダ働きとなりお金は入ってきません。主星が牽牛星だと、車騎星と同じ現象ですが、恋愛関係で破局を迎え自分の名誉が傷つけられます。主星が龍高星だと、保証人の故に債権者から借金の返済を迫られるとか、友人から見離され、路頭に迷う場合があります。主星が玉堂星だと、龍高星と同じ現象ですが、被害は少なくて済みます、ただし両親に援助を頼んでも協力はしてくれません。
禄存星は「中心の星」ですから、物事に対する手段の失敗や方法の不備による天中殺現象となり、自身が所有する「引力」が小さくなっている状態です。周りからの信用をなくしたり、孤独感が強くなるとか、集団の中で孤立状態になりやすい年になります。
つまり、物事の考え方にある種の「中庸」が保てない状態になっているのです。このような現象が年間を通じて現れると、貴重な財力の損失につながります。「財力と引力」は相関関係にあり、「引力」が強い人ほど、財力に恵まれて蓄積できますが、禄存星の年運天中殺時には「引力の低下」とともに、逆に離散する状態になるのです。
禄存星年運天中殺の特徴としては、問題が起こった場合は「金銭による解決」に走りやすくなります。実際には一番危険な状態で、慌てて行動すると、「損失の拡大」につながります。殆どの人たちは面倒なことは早急に処理し、脱皮を図りたい心境になりますが、対策は、「相手の心を理解する」ことに全精力を注ぎ、「精神力と時間」を消耗することで解決します。